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運命転換術 5

注連縄(しめなわ)
 注連縄は神前または神事の場に、不浄なものの侵入を禁ずる印として張る縄のことである。
 一般には、新年に門戸に、また神棚に張る「縄」を指す。
 左捻よりを定式とし、三筋・五筋・七筋と、順次に藁の茎を捻り放して垂れ、その間々に紙垂
(かみしで)を下げる。「輪じめ」あるいは「輪飾り」は、これを結んだ形である。

 人間の運命の運気も、運自体も、あるいはその転換法も、注連縄の「むすび」と同じである。
 運命現象は、常に陰陽の支配を受け、人はその中で翻弄
(ほんろう)される。
 また陰陽と同じく、人間現象界では善悪綯い交ぜで、かつ清濁併せ呑み、更に禍福は糾える縄の如しの様相を呈している。
 『史記』
(南越伝)にみる「禍に因(よ)りて福と為(な)す、成敗の転ずるは、譬うれば糾える縄の若(ごと)し」なのである。
 人の幸不幸は、縒り合わせた陰陽・善悪・清濁による。

 そもそも人間こそ、矛盾の多い生き物であるからだ。
 そして人間を有機的生命体の顕われと検
(み)れば、またその矛盾まで見えてくるのである。


●ラットレースの罠

 当時の袁了凡(えん‐りょうぼん)は、何も書いていない功過格(こうかかく)「人生の貸借対照表」を『治心篇(ちしんへん)』と名付けた。
 袁了凡が朝起きて、堂に坐
(すわ)ると、家人が玄関番に渡して、彼の机に置いてくれるのである。
 そして『治心篇』に、善悪を細大もらさず書き綴
(つづ)るのである。この時、彼は「善事一万条の行」にかかっていた。

 また夜になると、庭に卓を設けて、宋の有名な哲人の書物を読んで勉強し、このこうを香
(こう)を焚(た)いて天帝に申し告げるのであった。

香を聞くという言葉がある。香りをかぐことを言うが、またお伺いを立てる時に、香を焚く行為がある。

 その夜、たまたま一神人しんじん/神通力を得た人または仙人)の夢を見た。
 袁了凡は神人に「善事一万条の行」が、非常に成就し難たき苦しみを訴えた。すると神人の言うには、「ただ糧
(りょう)を一単位減ずるがよい。そうすれば一万の善行が即時に成就するであろう」と言うのであった。

 出世して地位が高くなればなるほど、低い地位の時よりも善行が実行でき、貧しい者より富める者の方が善行を積めると思われるが、これは反対である。
 高位高官に昇れば、職務が多忙になり、それを行う時間が失われる。人付き合いも多くなる。「一万条の善行」を積む事が非常に困難になるのである。
 諺
(ことわざ)に「富める者が天国に入るのは、ラクダが針の穴に通る事より難しい」というのは、この為である。

 だから、袁了凡の訴えに応えて、神人は「ただ糧
(かて)を一単位減ずるがよい。そうすれば一万の善行が即時に成就するであろう」と示唆したのである。このことを袁了凡はよくよく考えた。神人は県知事の権限で、税を減らせと言うのである。
 この田は、一畝
いちぼ/中国で地積の単位。6尺四方を1歩(ぶ)とし、古くは100歩、後には240歩を1畝とした)につき、二分三厘七毛の税率であった。

 そこで、夢に出た神人の言に従って、自分で区劃
(くかく)を作り直し、それに手加減を加えて、一分四厘六毛に下げたのである。しかし考えてみると、これは何ぶんにも夢のお告げであり、果たしてこれで、一万善行の成就が出来るだろうかと疑問に思い始めたのである。

 恰度
(ちょうど)その頃、五台山(ごだい‐さん)から幻餘(げんよ)禅師がやって来られた。五台山は中国山西省の北東部にある山で、中国仏教三大霊場の一つに数えられる名高い霊山である。

 そこで袁了凡は幻餘禅師に、自分が夢で見たことを話した。このお告げを信じてよいか否かである。それに対して、幻餘禅師はこう言われた。
 「人間の、善を行う行為は真実から発したものである。まして県知事として県民の糧を減じて、万民に福を授けているのである。これが万善に当たらなくてどうするか」と喝破
(かっぱ)されたのである。

 これを聞いて、袁了凡は大いに感動した。袁了凡の「吾
(われ)漸々(やくやく)に円満して……」からも分かるように、次第に涙が溢れ、感動が起り、これを直ちに実行に移した。袁了凡の行った減税は、県民から大いに喜ばれた。彼の県知事としての名声は世に広まったのである。

 それからも陰徳を重ね、更に、自らの俸禄
(ほうろく)を割いて、五台山に登った。そこで一万の僧に斎とき/午前中にとる食事)を供養して回向(えこう)して廻った。
 孔老人から、袁了凡は五十三歳の八月十四日の丑
(うし)の刻(今日の午前二時頃)、自宅の表座敷で死ぬと算定されていたので、未(いま)だ曾(かつ)て、長生きさせてもらいたいなど、祈った事はなかった。
 しかし五十三歳の年齢を超え、何の災厄もなく、今は六十九歳になっていた。

 書経には、「天と言うものは充
(あ)てに出来ないものだ。天命と言うものは常に変化して、その停まるところを知らぬものだ。天と言うものは、限り無い創造であり、造化である。人間の注文通りにはならないものである。浅はかな人間の知恵や欲望では、どうする事も出来ない。
 したがって人間の側から見れば、天ほど信用できないものはない。一切は命
(めい)である。
 絶対性も無いし、常と言うこともない。行い如何によって変化するものである。

 この定まりし運命に変化が生じないのは、それは俗人が、運命の支配する陰陽の周期から抜け出せないからであり、徳のない俗人は、定まった儘
(まま)の運命の陰陽に支配されて、その儘の運命を全(まっと)うする事になるのである」と記されている。

 したがって、「禍福は、人間の力ではどうすることも出来ない」というのは、この世の俗人の論理であると言う事になる。「天命の命ずるところ」というのは、俗人の世界に当て嵌
(は)まる事なのである。

 さて、ここで
「人生の貸借対照表」に入る前に、少し《貸借対照表》の勉強をしてみたい。
 もともと金銭にあくせくして、経済的に困窮する人は、最大の欠点が金銭感覚に疎
(うと)いばかりでなく、「損益計算書」と「貸借対照表」の関係が全く解っていない事である。
 また、「資産」と「負債」の違いについても、殆ど解っていない。そしてこの混乱は、「資産」が収入の書き込まれ、「負債」は支出に書き込まれることを全く理解していないことだ。

 したがって金持ちになりたいのなら、「資産」を買えばいいことである。
 ところが多くの72%に当たる中流階級以下の階層は、「資産」を買わずに、「負債」ばかりを買い続けるのである。つまりクレジットやローンをする事である。また、クレジットやローンで購入したものを、自分の資産と思い込んでいるのである。だから28%の金持ち層に入れないのである。
 「金持ち」対「貧乏人」の分離比は、ユダヤ黄金率によれば
28:72の関係なのだ。

 これからも分かるように、資産と負債の根本的な考えの違いから、「金持ち」と「貧乏人」を二分している事が分かるであろう。貧乏人は、いつまでも貧乏に甘んじて、貧乏から抜け出せないのは、72%の多くの中流階級以下の階層が、資産ではなく、負債ばかりを買い続ける為である。多くは、借金漬けになり、負債を買う為の生涯に、自分の全エネルギーを費やしているのである。

 これは金銭的な流れを見ると、一目瞭然になる。
 中流階級以下の72%の人達は、仕事をし、給料を貰えば、一端は損益計算書の中では、収入の方にその金額が書き込まれる。しかし此処には税金、マイホームのローンの返済、マイカーのローン返済、その他クレジットの返済がある。

 こうした固定支出がある上に、家族サービスのための週に一回の外食、家族旅行、飲食費、衣料費、水道光熱費、娯楽費などの支出があり、それらは住宅ローンの借入であったり、月々の支払をするクレジットカードや、それ等の未払分は「負債の部」に入る。
 つまり、夫婦名義の登記済権利証書のマイホーム
【註】半分以上の頭金を払ったマイホームでも、根抵当が設定されている。根抵当権設定は不特定の債権を、極度額の限度で担保する抵当権のことだ)でも、マイカーでも、一円でも未払分があれば、これは「負債の部」に入る性質のものである。

 一方、28%の金持ちに属する人の金銭の流れは、資産を買う事に当てられ、不動産、手形・小切手・貨物引換証・船荷証券・倉庫証券・株券・債券・商品券・抵当証券
【註】抵当権者の申請により管轄登記所が発行する有価証券)などの有価証券、印税、著作権、特許権、その他の知的財産を持っていて、これはら資産から収入へと記されるものである。

 人の運命の流れもこれと同じで、72%の中流階級以下の多くの人は、運命の陰陽に支配されて、予
(あらかじ)め予定された通りの人生を履行していく事になる。
 運命と金銭の流れは、ある意味で共通点を持つ。経済的に困窮し、借金を抱えている人は、とにかく、いま金が必要である。
 ところが、単に金が入れば解決する問題ではない。金は時として、人間の弱さを暴露
(ばくろ)する。人を誘惑する一つの生命体である。

 例えば、宝くじが当たる、死んだ親の遺産が転がり込む、昇給するなどの、思わぬ金に巡り合う事態が発生した場合、その金の流れは、更に加速を増すだけなのである。こういうのを「驚」という。驚に振り回されることを言う。そして善いことでないことは勿論である。
 結局、一時的に、裕福に見えた現象は、旧
(もと)の木阿弥(もくあみ)に戻るのである。
 それは、「貸借対照表」の読み方を知らず、「損益計算書」の財務処理能力に欠けているからだ。
 これと同じ事が、人間の人生における運命の中にも起っている。

貸借対照表(バランスシート)の原理。

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 72%の中流階級以下の人達の人生パターンは、ほぼ定まっており、それはまるで予(あらかじ)め、神が予定したように、誰もが同じような行動パターンを示す。
 では、その順を追って検
(み)て行くにしよう。
 まず、立派な教育を身に付けねばと高度な教育を受ける。

 目的は、いい成績をとって、一流大学
【註】確率的に見ると、実際に一流大学と称される大学に入れるのは全学生の28%以下)に入り、一流企業に入るためである。就職の条件を学閥で良くするために、その目的はある。
 そして一流企業に入社できたら、高度な教育を受けた者同士が結婚し、新たに新居を構えて暮らし始めるようだ。
 次に子どもの出産に備えて貯蓄を始め、それ迄の間は共働きをし、貯蓄に専念する。やがてその努力は思惑通り実り、貯蓄と共に収入もアップしていく。足には車が必要になり、それなりのマイカーを所有する。
 しかしそれに従って、マイカーローン返済などの支出も増える。その上、所得税
【註】この税金は累進課税である事に注意。特に課税標準の増加に伴って、高い税率を適用する租税である)と言う高額な税金も加わってくる。

 つまり上の表で言うならば、収入が増えると、個人の「貸借対照表」の中にも、負債の額が増えるという事である。しかし「貸借対照表」の読み方を知らない者は、負債が増えたということに、あまりピーンとくることはない。
 やがて子どもも出来、家が手狭になる。

 それに併せたかのように収入が上がって、そろそろマイホームでも持とうという考えが頭を持ち上げる。これは住宅ローンで購入するので、更に返済利息と、税金の額は増えるのであるが、疎い者はこの時点でも、ピーンと来ない。
 しかし、確実に増えていく。それはローン返済の元金と利息以外の、固定資産税
【註】土地・家屋・償却資産の所有者に対し、その価格(評価額)を課税標準として、固定資産所在の市町村が課する税金)と言う地方税が加わるからである。

 また、マイホームを持てば、それに併せて、調度品や家具、電化製品などが必要になる。そして子どもが、更にもう一人生まれる。それに併せて、学校で支払う以外の受験用の教育費が必要になる。子どもが成長するに随
(したが)い、更に支出が増える。上級学校に進むに随い、更に資質は増える。
 つまり「損益計算書」と「貸借対照表」は、「損益計算書」に書かれる数字の額は収入に、収入の増えたことが記され、一方「損益計算書」の支出に、それだけ支出が増えた数字も掲載される。支出が増えたと言うことは、「貸借対照表」では負債に支出分の増えたことが掲載され、収入が増えると言うことは、また負債も増えたと言うことになるのである。

 これはどういう事なのかというとローン返済や、クレジットカードなどで支払を済ませるこの縮図の中に、現代人の消費癖を煽
(あお)り、必然的に収入を殖(ふ)やす必要性が生じていることに、多くの人は気付かないで生活しているのである。そして、こうした関係になっていることを、多くの人は知らずに人生を送ることになる。
 つまり多くの現代人は、金銭哲学の一面が抜け落ちていて、貸借対照表の「負債の部」が、徐々に増えていることに、全く気付かないで生活をしているのである。

 ところが、ある日突然、住宅ローンやマイカーローン、あるいはクレジットカードの支払で、「負債の部」に書き込まれた数字を見て、愕然
(がくぜん)とする。金に困る本当の原因は、貸借対照表の「負債の部」に書き込まれた数字の額にあったからだ。こんなに増えていたのかと、驚かされるからである。あまりにも疎い、マイナス思考で人生を送って来た自分に愕然とする。
 自分がこれまで一生懸命働いて来たのは、「ラットレースの罠
(わな)」に嵌(はま)っていたのだと気付くのである。しかし、一度「ラットレースの罠」に嵌れば、此処から抜け出すのは容易でない。


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