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薬になる植物図鑑 2

●紫蘇

あか紫蘇

 紫蘇と言う漢字は古い書籍では『食療本草』(685〜688年に発行されたと伝えられる)に出ている。また、『名医別録』にも、「蘇」とあり、『本草綱目』にも「蘇」として紹介されている。そして「蘇」には、紫蘇、赤蘇、桂荏(けいえ)などをその釈名としている。

 「蘇」の文字は、「性が舒暢
じょちょう/心が伸び伸びとして緩やかなこと)で、気を巡らし、血を和するから“蘇”という」とある。また紫蘇は白蘇と区別する為の呼称でもある。
 「蘇」なる植物は、「荏
(じん)」の種類であり、味は更に辛く、桂の味で、故に桂荏と称するとある。白蘇は荏の釈名であり、日本名は「エゴマ」の古名が用いられている。日本名で言う「しそ」は紫蘇を日本読みしたものである。

 「しそ」のけ原産地はインド説と中国説があり、今日では中国説が有力である。中国に於ては古くから栽培されており、『本草綱目』にも、その品種を見る事ができる。その一例は「花紫蘇」である。その説明には「その葉は殺菌に効果が大きく、密紐で剪
(そろえき)ったような形をしており、香も色も、茎も子も紫蘇と変わらないとあり、現在でチリメンジソ(縮緬紫蘇)を指している。したがって、日本でも古くから栽培されていたものと思われる。

 紫蘇はシソ科の一年草で、茎は高さ約60cmにも達し、断面は四角である。葉は卵円形で互生し、鋸歯が目立つ。葉と、果実とは香りがよく食用・香味料・薬用とし、また梅干漬の色素となる。縮緬
(ちりめん)紫蘇や青紫蘇などの変種もある。

あか紫蘇を晒して洗う。
(ざる)にとって陰干しする。

 あか紫蘇は、葉の両面が紫色で、花は帯紅紫色である。あか紫蘇は、葉を陰干しにして、乾いたものを粉末にして玄米御飯の上にかけて食用したり、餅などの包みに使われる。
 また、青紫蘇は葉が滑らかで、葉の両面が緑色であり、時には葉裏が赤味を帯びることがある。花は帯紅紫色で香気も強く、その用途は秋期に漬物などに使われる。また、青紫蘇は揚げ物などに最上の物として使われる。

あか紫蘇の陰干し笊乾燥
あか紫蘇の粉末玄米御飯

 昭和の初期、かつて満洲の地に於ては、日本人は食用の為に紫蘇を栽培していた。多くは甘露梅などを作る為であり、これは梅酢に入れて赤く染めた葉に小梅を包んで、砂糖漬けにしたり、また、紫蘇の葉を塩漬にして、食用の場合は白湯に入れてこれを飲んだ。

採取時期
摘要症状
服 用 方 法 と 薬 効
食用方法
6月〜7月半ば
興奮性発汗・痔瘻・せきどめ・喘息・鎮静・痛み止め・利尿・健脳・健胃・咳の際の出血止め・脚気・食あたりなど。  紫蘇の薬用は広く、興奮性発汗・せきどめ・鎮静・痛み止め・利尿剤に用いられる。その他にも、芳香性健胃薬となり、健脳や出血にも効果がある。痰をとり、あるいは蟹の中毒薬としても用いられる。
 また、痔・脳の疾患・血液の循環促進・喘息・頭皮のしらくも等の治療に用いられる。
 健脳には、葉を陰干しし、粉末にして玄米御飯の上に振り掛けて、食用すると効果が大きく、あるいは干した葉20gを0.4リットルの水に半量になるまで煎じ詰め、これを一日3回飲む。
 吐血には、干した紫蘇4gに黒豆1合程を加え、0.4リットルの水に半量になるまで煎じ、これを飲む。
 咳の度に出血するのを防ぐには、紫蘇4gに大根のすり降ろしたもの100g程を加え、水0.4リットルで、半量になるまで煎じ詰め、これを飲む。また、この方法はで利尿効果もある。
 紫蘇の葉を干したものを煎じてお茶代わりに飲むと、健胃薬となり、脚気や喘息、蟹の中毒や魚や肉の食あたり、痔瘻、脳の疾患、血液の循環促進に効果がある。
 紫蘇の生汁を飲むか、葉を生食するか、貼る意は陰干しにしたものを煎じて飲む。
紫蘇の葉の生のものは、なますに入れ、あるいは葉と穗を炒って、焼き魚、蕎麦(そば)、天麩羅などに添え、薬味として用いる。
揚げ物には青紫蘇の葉、または茎が用いられる。

葉を干したものは、粉末にして玄米御飯の上に振り掛けて食べると食養としての効果が得られる。
あか紫蘇は、葉の生の物を味噌と摺り合わせ、紫蘇味噌をつくる。あるいは梅干の色づけに用い、更には紫蘇巻きなどにする。
紫蘇酒はチリメンジソ、沈木(ちんき)、小茴香(しょうかいこう)、桂皮を水蒸気で蒸溜し、これに焼酎を加えて製する。
あるいは絞って油をとる。



●アロエ

アロエ

 アロエ(キダチロカイ)の学名は、Aioe arborescens Mill Var.natalensis Bergerと言い、普通は鑑賞用植物として鉢植えにされている。南アフリカ原産であり、日本に於いては冬場は室内に入れて越冬させる。
 アロエは、ユリ科の多肉の常緑多年草で、葉は多肉で、橙赤色の筒形の花を開く。特に観賞用、薬用として栽培している。

 また、広くはユリ科アロエ属植物
(その学名)のことをいい、アフリカの乾燥地を中心に約300種が分布している。有茎のもの無茎のものなど、形態に変化多く、数種が多肉植物として栽培される。別名、蘆薈(ろかい)とか、“医者いらず”ともいう。
 この植物は多肉植物であり、葉は肉質で内部は軟らかく、葉の縁には鋸歯がある。この植物はサボテンと同じ薬効を持っているが、肋膜炎などに効果がある。

採取時期
摘要症状
服 用 方 法 と 薬 効
食用方法
一年中
肋膜炎・脚気・蓄膿症・腎臓病・肺病・心臓病・高血圧・低血圧・糖尿病・胃癌などの胃病・リュウマチ・熱病・流感・喘息・気管支炎・切傷・火傷・化膿・便秘・下痢など。  主に薬用効果を期待して用いる場合は、葉を干したものを50gと水0.5リットルを半量になるまで煎じ詰めて、これを飲む。また、生の物は、下ろし金ですり降ろし、これを服用する。多く飲んでも害にはならない。特に吐き気がする、胃腸病には効果が大きく、胃癌などの一時抑えなどにも効果がある。
 火傷については、生の汁を患部に塗布すれば効果があり、火傷のケロイドなどは殆ど残らない。
 疔
(ちょう)などの皮膚の皮脂腺または汗腺などから、化膿菌、殊に葡萄球菌が侵入することによって皮膚の深部および皮下結合組織中に生ずる炎症巣については、火傷と同じように生の汁を一日数回塗り替えると、膿などが止まり、一週間程で治る。
ミキサーにかけてアロエジュースにする。但し、苦いのでこれに白砂糖などを混ぜると不可。
また、刺身などにする場合は、厚手の葉を刺身状に切り、食用する。

 現代社会の通念として、昨今は「自己責任」と言う事がが盛んに使われるようになった。また、それに併せて、「自己防衛」と言う言葉も使われ始めた。
 「自己防衛」とは、自分の躰
(からだ)は自分で護るよいうことであり、防衛意識は公害からも、地球環境からも、また病気からも、自分の躰は自分で護ると言う概念が生まれつつある。

 現代西洋医学の発展は目覚ましいものがある。しかし、これは緊急を要する即効性のものに限られるようだ。更にそれは、病気そのものの対処療法であり、患者個人の体調は二の次になっている。現代医学者達の多くは、患者を診らずに検査結果から生じた病気の数値ばかりを見ている。そして慢性病に於ては、現代医学では治らない領域となってしまった観が強いようだ。

 こうした現実下、漢方薬や民間療法に頼る人も増え始めている。即効性は乏しくとも、慢性病は事故や大怪我などから発した急病でないから、根気さえあれば個人の体調に適応しながら、自然治癒の方向に向かうと言うのが、漢方薬や民間療法が見直される理由の一つになっているようだ。

 アロエも、こうした状況下で広い薬効性を持っており、多くの人から注目を集められた植物として知られている。アロエは昔から「医者いらず」といわれた植物で、長い歴史を持っている。
アロエの花。

 アロエの種類は多く、その種類によって所有する成分も様々である。更にアロエと言う植物は、園芸家達の鑑賞用の植物でもあるが、花一つ咲かせるにしても、一般の鑑賞用植物と違い、水をやり、肥料をやり、手入れを欠かさないと言う常識的な世話では駄目で、むしろ殆ど水をやらず、ほったらかしにして痛めつけることにより、薬効効果が高まるというユニークな植物で、如何様にも変貌すると言うのがアロエと言う植物である。

 アロエには様々な薬効効果があり、その第一は多糖類系成分で、植物薬品としての効果を発揮する。その第二は、植物フェノール類系成分があり、薬品としての効果を持つ。その第三は植物ホルモン、サポニン、葉緑素、タンニンなどを持っていて、これらの成分はそれぞれ単独に、あるいは相乗効果的に働き、広範囲な病気や蕭条に効果を現し、特に便秘に効力を発揮する植物フェノール類はアロエの特長とするところで、またアロインは下剤効果を持っている。
 例えばキダチアロエは、次のような成分を持ち、その効果は次の通りである。

成 分
効 果 と 作 用
アロイン
苦味健胃剤・下痢・抗炎症・抗アレルギー作用
アロエエモジン
アロエチン
殺菌作用・抗カビ作用・毒素を中和する・水虫効果
アロミチン
ガン細胞に作用・抗ウイルス
アロエマンナン
胃や十二指腸、大腸や子宮頸の抗腫瘍・抗炎症
アロエウルシン
抗潰瘍・アルカリ・熱に強い
アロエアルボナサイド
キダチアロエ特有成分
アロエシン
殺菌作用
アロエニン
健胃効果
アロクチンA・B
抗ガン作用
アルボランA・B
血糖値硬化作用・血圧高圧作用

 アロエの薬効成分の最も効果が強く、早いのは、直接の「生かじり」である。
 アロエには様々な薬効効果があるが、内服薬として用いても、殆ど副作用がない。そしてアロエを服用する際に最も優れているのは、「アロエの生かじり」であり、即効性がある。

 アロエを生かじりする場合は、分量の目安として、太めで肉厚の葉を3cm
(大人の一日分の標準目安で、約15gほど)ほど切り、良く洗って刺を取り、これを皮ごと「丸かじり」することである。アロエの生葉は、先端よりも葉元の方が薬効成分が高く、一年以上経過した成熟した生葉を使用する。

 しかし、アロエを生かじりする場合に問題になるのは、その独特の苦味である。葉を輪切りにした時、切り口から出る黄色い汁はアロインといって、最強のや薬効成分を含んでいる。これは強いだけに苦味も強く、まさに「良薬口に苦し」を地でいくようなものである。

 アロエの特効効果は下剤とか、鎮静とか、解熱である。また胃痛の場合も、胃ガンの一時的な鎮静作用がある。更に食中毒などで、胃腸に入ったものを早く体外に出したい場合は、大目に食べて早い効き目を促すこともできる。
 なお、大人の一日の標準量は生葉で約15g、乾燥葉で約0.6g程度である。



●ショウガ

生姜の花茎
生姜の食用根

 生姜(しょうが)はショウガ科の多年草である。原産地は熱帯アジアとされ、世界で広く栽培、日本へも古く中国から伝わった。地下茎は横走して数個の塊をなし、黄色で辛味を有し、食用・香辛料とする。わが国には縄文時代に渡来している。

 三世紀後半頃に書かれた『魏志倭人伝』には、「倭に薑
(しょうが)、橘、椒、姜有るも、以て滋味と為(な)すを知らず」とある。食用並びに薬用として栽培されて来た歴史を持つ。

 根茎は多肉質で肥大し、指状に分岐して、下面より根が出ている。芳香としては、辛みと特有の匂いを有している。偽茎は根茎の節から数本が直立している。葉の部分は上部で互生きして、線状披針形
(ひしんけい)で、先は尖(とが)っている。更に根は鞘状(さやじょう)になっている。花は夏の時期で、暖地や温室内でのみつける。茎から伸びた花茎の先に、重なり合った緑色の苞葉(ほうよう)の間から黄色の不整斉花が咲く。

採取時期
摘要症状
服 用 方 法 と 薬 効
食用方法
一年中
健胃剤・鎮嘔剤・食中毒予防・風邪の初期状態緩和・解熱・咳止め・吐き止め、去痰・冷え性改善・神経痛緩和。  風邪ぎみのときは、下し汁に刻みネギを加えて熱湯を注いだ「しょうが湯」を飲むと効果的である。また、咳には下ろしたものを布に塗り、これで咽喉部を湿布すると効果的である。更に、神経痛には湯を加えて布を浸し、その布で温湿布をすると効果が有る。冷え性などに効果が大きく、但し、胃弱な人は強い刺戟から胃を損なうので摂取過剰には注意が必要。
 生姜には、ビタミンB
1、B2、Cなどの栄養分はごく少量含まれているだけだる。栄養効果は薄いものの、優れた殺菌効果が有り、食欲を増進し、消化吸収を助け、また臭み消しの効果も大きい。辛味成分によるジンゲロンやショウガオールなどの成分を持つ。
下し金でおろすなどして、主に料理の味付けの最良になるもので、臭み消しに効果が大きい。
また、薬味効果は同じく、下ろしたもので温湿布などをすれば咳止めや神経痛に効果が有る。



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