▲自分の力であくせくともがいて、命を無駄に磨(す)り減らすような苦戦状態に陥っても、それに囚われていては無闇に寿命を縮めるだけである。賢い行動選択とは言えない。愚である。
要は「虚(から)」になることである。捨てるだけのことである。
この「捨てる」と言う行為こそ、実は虚(から)になることの妙法だったのである。
腹の中を空っぽにすればいい。腹積もりをなくせばいい。そして虚になる。たったそれだけのことである。
虚から出て来るものは無尽蔵である。無限と云う言葉は、実に此処にあるのである。
虚空こそ無尽蔵の蔵である。虚で立ち向かう。
これが捨てると言う行為の妙法であり極意だった。
それは虚で立ち向かうから、戦法の出かた次第で千変万化するのである。その変化は無限である。無尽蔵にいろいろな道が顕われて来る。したがって、この道は行き詰まることがない |